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札幌高等裁判所 昭和50年(ラ)23号 決定

抗告人 堀内清二郎(仮名)

主文

本件抗告を却下する。

抗告費用は、抗告人の負担とする。

理由

本件抗告の趣旨及び理由は、別紙のとおりである。

職権をもつて本件抗告の適否について案ずるに、

本件記録に徴すれば、原裁判所がなした前記処分は、家事審判規則第一〇七条に基づき、前掲遺産分割請求の審判手続のために必要な仮の処分としてなされたものであることが明らかであるが、家事事件の審判に対しては、家事審判法第一四条本文の規定により、最高裁判所の定めるところにより、即時抗告のみをすることができるもののところ、家事審判規則(最高裁判所規則第一五号)第一〇七条に基づく処分としての審判については、右規則上、これに対して即時抗告をすることができる旨を定めた規定は存しないから、かような審判については即時抗告をすることはできないものといわざるをえない。

よつて、本件即時抗告は不適法であるから、家事審判法第七条、非訟事件手続法第二五条、民事訴訟法第四一四条、第三八三条によりこれを却下することとし、抗告費用の負担につき家事審判法第七条、非訟事件手続法第二五条、民事訴訟法第九五条、第八九条を適用して、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 宮崎富哉 裁判官 長西英三 山崎末記)

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